気象病ってご存じですか?
雨の日は誰でも何となく憂鬱な気分になりやすいものですが、低気圧が近づくと頭痛がする、体がだるくなる、節々が痛くなる、と不調を訴える方がいらっしゃいます。梅雨の時期は痛み止めが手放せない!という方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
さて、今回はそんな梅雨時期や季節の変わり目に起こりやすい「気象病」についてのお話です。
気象病とは
『気象病』という名前を聞いたことはありますか?気象病は近年注目が集まっていて、潜在患者数は1000万人にのぼるとも言われています。気象病は、ひとつの病気の名前ではなく、低気圧や寒暖差など、気候や天気が原因で起こる身体の不調や様々な疾患の症状が悪化することを示しています。
頭痛やめまい、疲労感、気持ちの落ち込み(うつ)、吐き気、など様々な症状が出るのが特徴です。
気候変化の激しい季節の変わり目や梅雨の時期、また台風が多い時期などに特に起こりやすいと言われています。
■気象病の主な症状■
☑ めまい
☑ 頭痛
☑ 疲労感
☑ 吐き気
☑ 首や肩の凝り
☑ 低血圧
☑ 関節痛
☑ 痛み(古傷が痛む)
☑ 手足のしびれ
☑ うつ
☑ 喘息発作が出やすくなる
☑ 狭心症の症状の悪化
【引用】https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=7166
気象病の原因
ではなぜ、気圧や気温の変化で体調不良が起こるのでしょうか?
■重要なのは自律神経
自律神経とは、体調を正常に保つために、呼吸、血液循環、消化、体温調整をはじめさまざまな機能をコントロールしている神経です。気象病は、気圧・気温・湿度など気象の大きな変化(ストレス)によって自律神経のバランスが乱れることが原因で起こると考えられています。
温度や湿度を感じるセンサーは、皮膚や粘膜、脳や脊髄の中枢神経など、体中のいたるところに存在します。これらのセンサーが温度や湿度の変化を敏感に感じ取り、その刺激が自律神経のバランスを乱すため、気候の変化が体調不良につながるのです。
特に、気圧の変化による影響はとても大く、その中でも“気圧が低下するとき”に症状が出やすいと言われています。
梅雨の時期は梅雨前線上を低気圧が横断するため日本列島の気圧は低下しやすくなります。また台風は大型の低気圧であるため、台風の接近に伴い圧は低下します。気象病の症状がこれらの時期に集中するのはそのためだと考えられています。
■内耳が大きく関係している
気圧の変化によって気象病の症状が出やすいのには、「内耳」が深く関係していると考えられています。
内耳は主に、耳で受けた情報を脳や神経に伝える役割をしています。気圧が変化すると耳の奥の内耳にあるセンサーが働き、脳に伝達され、体を順応させようとします。気圧の変化が大きいと、この内耳のリンパ液のバランスが崩れ、脳に過剰な情報が伝わり、頭痛・めまい・ぜんそく・関節痛・神経痛・うつなど、様々な体調不良を引き起こします。
また、このセンサーは人によって感じ方が異なります。気象病を訴える人の多くは、何らかの原因でこのセンサーが敏感なため、脳に過剰に情報が伝わり、その結果、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れ、症状が出やすいのではないかと考えられています。
■日光刺激の変化
天気が悪く薄暗い日々が続くと、朝になったことを脳が認識しにくくなります。するとリラックスモードの副交感神経優位の状態が続き、体が重く感じたり、気分が優れないといった状態になりやすいのです。
また、太陽を浴びる時間が短くなるとセロトニンやドーパミンの分泌が減少してしまいます。セロトニンには心を落ち着かせたりストレスに対する効能、精神安定剤的な効果があったりするので、それが減ってしまうということは、ストレスや疲労感、向上心の低下、仕事への意欲低下、不眠、食欲不振につながると言われています。
【引用】https://www.at-s.com/life/article/ats/1073831.html
気象病対策
気象病の症状を少しでも軽くするためには、事前に予防をしておくことが大切です。
■規則正しい生活
不調が出やすい人は自律神経やセロトニンの乱れに対して体が順応しにくい状態になっています。気象病予防の基本的な考え方として、第一に規則正しい生活をして、自律神経のバランスを整えることが重要です。
朝起きて朝ごはんを食べると、副交感神経優位から交感神経優位へと、スムーズに切り替わります。また、午前中に最低でも15分は日光を浴びましょう。カーテンを開けて光を入れる、散歩する、ベランダに出て洗濯物を干すくらいでも大丈夫です。日光を浴びると体内にセロトニンができます。14時間すると、セロトニンは眠気を催すホルモンのメラトニンへと変換されます。そのまま夜の11時くらいにメラトニンが最高値になった頃に眠ることを繰り返す。続けるうちに体のリズムが整います。このように、生活習慣を整えることによって体のリズムも整い、自律神経のバランスが良くなることにつながります。
日中に活動し、夜は十分な睡眠をとる、バランスの取れた食生活をする、など規則正しい生活をして、不調の出にくい体づくりをしましょう。ストレスを溜めないこともとても大切です。
■室内環境を整える
最近ではエアコンや除湿器などで快適な環境を作り出すことができます。無理せずこれらの機器を上手に利用して、湿度や温度を調節しましょう。
■耳のマッサージ
両耳を手でつまんで上下や左右に引っ張ったり、つまんだままゆっくりグルグルと回したりしましょう。さらに手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりとグルグル回したりもしてみましょう。
昼・晩、毎日耳のまわりをほぐすことで血行がよくなり、内耳の状態の改善に効果があります。
【引用】https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20221221_02
まとめ
いかがでしたか?頭痛やめまい、倦怠感など、気象病の症状はつらいもの。ですが事前にできる予防法はあります。天気が悪いとなんとなく体調が悪い…という方は、天気予報をチェックして体調が崩れそうなタイミングを事前に知っておくことも大切かもしれません。
予報をネガティブにとらえずに、『気圧の変化がありそうだから予定をずらそう』『早めに寝て睡眠時間を多めに確保しよう』など、自分の調子を整えるためにポジティブに活用していけたらいいですね。